サラリーマンレポート >> 出張こぼれ話 >> 札幌レポート Autumn 2006
活況の夏を過ぎ、落ち着きを取り戻した旅愁あふれる札幌の秋、思いつくまま気の向くままに散策した一日のメモランダムです
北海道大学植物園 (北大植物園)
札幌市中央区という東京で言えば千代田区のどまんなかに、雄大な植物園の森が広がります。樹齢100年をゆうに超える巨木を中心に400種類以上の樹木が静かに風にそよいでいます。
札幌駅やススキノから徒歩10分以内という至近距離にありながら、とにかくゆったりと広く、都会の中にあっておいしい空気と静寂を楽しむことができます。都会的な自然とでも言いましょうか。
同じ中央区内には中島公園がありますが、北大植物園は人工の公園ではなくクラーク博士開設以来の自然の森が維持されています。どちらも癒しと安らぎの空間ですが、北大植物園の方が自然に近いようにも感じます。
東京の日比谷公園と新宿御苑が、札幌の中島公園と北大植物園なのかもしれません。
入場料400円を払って正門から一歩入場すると、都会の喧騒から自然の静けさが出迎えてくれます。雄大な森の懐、いにしえの開拓時代にタイムスリップする感じです。
言葉よりも、下手な写真の方がわかり易いかもしれません。
正門から3方向に伸びる遊歩道の一つを進み、森の中に一歩一歩足を踏み入れて行きます。ハルニレ・ミズナラ・マツ・ブナなどの巨木があるかと思えば、かん木あり、桜あり。
遊歩道に沿って切り株の休憩所が配されています。この切り株も台風などで倒れた植物園の木から作られています。
木陰で休憩すると、風がそよぐ音と鳥の声、清清しい空気、心地よい雰囲気につつまれ、本当の木漏れ日を体感できます。
ハルニレは石狩地方に原生し別名エルムという事を知りました。
エルムという言葉は、列車名や札幌競馬のレース名として馴染みがあったのですが、植物園の説明から、あらためて語源を知ることができました。
こちらも遊歩道からのスナップです。
森の間にポッカリと広大な芝生の空間(ローン)が広がり、芝生の向こうには、ライラック並木が見えます。
森の中には、湿地帯(池)もあります。まだ夏の水草が生い茂っているせいでしょうか、写真では水面を見ることができません。
札幌の都会化により自然の泉が枯れてしまい、今は地下水を汲み上げて維持されている様です。
園内で、北海道開拓の歴史を垣間見ることもできます。
重要文化財の建物もさることながら、中の展示物にも目をみはります。
何となく入ってみたのですが、入口で牙をむくヒグマの剥製に出迎えられ、日本に唯一つ残ったエゾオオカミや樺太犬タロなど、ここでしか見られない展示物に、興味をひく内容にあふれていました。
建物の中に入ると木の床からほのかにワックスの匂いがして、これがまた、妙に懐かしい気持ちにさせられます。
秋の1日は、訪れる人もまばらで、広大な自然が自分の庭になった様な気がします。何よりサラリーマンが一人でとぼとぼ歩いていても何も違和感が無いのがうれしいですね。仕事の合間に、手軽に自然と向き合うことができる札幌の人はうらやましい限りです。
四季おりおり、表情豊かな北大植物園。これからも、合間を見て訪れたいと想います。
北大植物園の他にも円山公園、旭山記念公園、藻岩山、森林公園など公園は数多くありますが、札幌の中心地にあり、仕事の空き時間に気軽に行けるのは、北大植物園をおいて他にはありません。
場所は、北3条西8丁目、札幌駅と大通り公園の中間地点を西に進んで北海道庁のすぐ裏手です。
開園期間は、4月29日~11月3日(月曜日は休園日)となっていて、冬季休園です。ご注意を。
ろいず珈琲館 旧小熊邸
折角の秋の一日、オープンテラスで移り往く景色を眺めながら、美味しいコーヒーを味わうには、ぴったりです。
市電のロープウェイ入口から藻岩山ロープウェイ方面に坂を登ると、右手の見晴らしの良い高台に昭和2年建築の『ろいず珈琲館 旧小熊邸』がひっそりとたたずんでいます。
このクラシックな民家を利用した建物の中で、ゆっくりと過ごすのも良いですが、気持ちの良い天気の日は、オープンテラスで秋の日差しの中、眼下に札幌の街を眺めながらウトウトするのも至福の過ごし方です。
ほんの少し色付き始めた木々の間から見える札幌市街と、その上に広がる抜ける様な秋の青空。マンションが林立しはじめていますが、JRタワーまで見通すことができます。
仕事の合間にサラリーマンがちょっと休憩するには贅沢過ぎる環境かもしれません。この景色込みでコーヒー:400円、ケーキセット:650円というお手軽な価格。
炭焼亭(お刺身・焼き鳥の店)
秋の1日の締めは、やはり美味い肴で一杯です。
今宵は、市電西8丁目駅そば(南1条西7丁目)の炭焼亭さん、昭和7年建造のクラシックな建物の1階にある居酒屋さんです。高倉健さんがぶきように一杯やっていそうな雰囲気です。秋も良いですが、やはり降りしきる雪が似合いそうな建物です。
カウンターに腰掛けて、チビリチビリはじめたのですが、カウンター上の灯りは、ビールジョッキをはじめとするグラスが電球のかさがわりになっています。ジョッキの底越しの照明があたたかく料理を包みます。聞けば、ご主人のアイデアだそうで、気が付く人は余り多くないそうですが、何だかチョット得した気分です。
北海道ならではの食材を、そのままお刺身でいただいたり、炭焼きにしたりと料理の種類も豊富で、焼酎やお酒もなかなかの品揃えです。
お通しのキャベツからスタート、何の変哲もない刻んだキャベツなのですが、これが旨い。いかごろ醤油付け、さんま刺身、鮭はらす、稚内産もずく、かなり大きい焼たらこ、昔懐かしい目玉焼きなどなどイロイロと食べて飲んで、価値ある4000円でした。
札幌ムード満点で美味しいお酒を手頃な価格でいただけるとなると、そこいらじゅうに紹介されているかと思いきや、お店のたたずまい同様にひっそりとしているのが魅力です。(と言いながら紹介記事を書いてしまって矛盾していますが。)
平日17時からの営業です。(日曜祝日はお休み)
秋にふさわしいスポットを中心にした September 2006 メモランダムでした。
今回は、ススキノ抜きの記事となりました。たまには、いいか。ススキノは秋と言わずオールシーズンですので・・・・・
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